■縦書き可能な編集ソフトの変遷
新井田は生粋の文系のおっさんです。
日頃、ゲームをする間を惜しんで、大量の文章を書き連ねる実務とも趣味とも言える活動を、ヌカに釘を刺すかのごとく日々行っています。
最終的に人様の目に入る時は縦書きになるので、入力時も縦書きの方がなんとなく筆が乗るタイプなので、編集ソフトもできるだけ縦書きがあるものにこだわっています。
まぁ横書きでも全然平気なのですが(実際、設定やプロットや下書きはEvernoteをヘビーに使っています)、縦書きを利用するのは、集中力を切れさせないという目的の方が重視されています。
なんとなく縦書きでガチャガチャやってるほうが、集中力が途切れにくいんですよね。
●縦書きできるものは、どんなものがあるか?
縦書きが可能なエディタや編集系ソフトは、今でこそWindowsだと結構多く見られます。
最近のも含め、主要なものですと
などを使ってみたことがあります。最近だとMeryが割と使い易かったです。
macosだと、極端に環境が少なくなるんですよね。
この辺は試してみました。シェアウェアとかも一瞬触った事があるのはいくつかあるのですが、考慮に入らなかった物が多かったです。
おっさんなので、OS9の頃にあった伝説の “ORGAI” も所有して使っていた時があります。今にしてみれば、互換性は別にしても最強のツールだった気がします。
なんやかんやで基本的にはエディタ系の、iTextを長い事使ってたと思います。
自分の場合は、macos、Windowsとも使うので、両方で動く環境という点でも “iText” は長い間マストで使っておりました。レスポンスもいいんですよね。重くなったファイルでもサクサク表示できてました。
いずれにしても “iText” は開発が終了しているっぽいので、乗り換えを進めている最中です。
そこで見つけたのが、自分史上最強最終エディタ “TATEditor” ですよ。
■縦書き編集ソフトに求めるもの
TATEditor。確かにすごいんですが、これはあくまで自分が求める範疇での最強ということです。
では、どんな条件がいいのかというと
- macos、Windows両環境があると高ポイント
- テキストベースか、独自すぎないファイル形式
- 10万字ぐらいの単一ファイルでもサクサク動くこと
- 任意のフォントが使えること(絶対条件)
- できるだけバックグランドなどの基本色がカスタマイズできること
- ルーラーがあること、行番号表示があること
- 編集記号(改行やスペース記号)が消せること
- ファイルをクラウド上に置いて、ソフトからアクセスできること
結構あるな。
逆に拘らない部分
- 原稿用紙表示は必要ない
- 原稿用紙印刷も必要ない
- ルビ表示機能はあればいいけど、無ければ無いでOK
- 縦中横も無くてもいい
と、こんな感じです。
“TATEditor” は全て条件面をパスしてるように見えますが、ルーラーの表示と、行番号表示の位置とサイズがよろしくない点だけは残念。行頭にラインを引かせることで、ルーラー代わりにすることもできるようですが、自分の場合はイマイチでした。
■“TATEditor” はカスタマイズがすごい
すごい便利!って方と、煩雑すぎて使いづらい!って方。
これはどちらも間違いではないと思います。
デフォルトで使っている分には、よくある縦書きエディタなんですが、カスタマイズしようと思うと微細な設定まで全て任意で可能なので、どこまでも自分好みの環境にすることが可能です。
これが人によって賛否が分かれる所なのだと思います。
ある程度簡便に、プリセットとかで環境選びたい人には、使いづらいと感じてしまうのかもしれません。もったいないことです。
以下は自分が使っている環境の備忘録になります。
自分にとって使い易いだけで、人様も同じとは限りませんが、カスタマイズの参考にしていただければ。
一度気に入った環境になれば、何度もイジる部分ではないので、こだわって時間かけて自分だけのスペッシャルを見つけてください。
表示→簡易設定ウィザード
- デフォルトフォント:IPAex明朝/標準/20
- ページ表示:チェック/ウィンドウサイズに従う
- 縦書き:チェック
- 禁則処理を使用:チェック
- 強制的に等幅化:チェック
- 行を端で折り返す:チェック
- 文字色:RGU/0.0.0
- 選択文字列の文字色:RGU/0.65.65
- 背景色:RGU/250.240.210
- 選択文字列の背景色:RGU/255.200.180
- 文字間隔の調整方法:調整しない
Glyph
- 縦書き:チェック
- ベースライン:チェック/No hinting
- UAX #11(Full)
- ビットマップフォント:チェックしない
- 液晶タイプ:LCD
- ページ:チェック/ウィンドウサイズを使用
- A4版
- 行方向にページを並べる
- マージン:上・15/下・10/左・5/右・5/段落間・15
※マージンに関して:1920×1080でウィンドウ表示させた時に、いい感じの空きになるものです。
同サイズの8インチタブレットなどでは空きが大きすぎたりするので、環境によって最適値が違うと思いますが、だいたいこのぐらいの比率だと視界に文章のみ入ってきて、集中できます。
Text
- 行を折り返す:チェック
- グリフ間隔調整:Default
- 行の配置:Default
- 字下げ:0.00
- グリフ間隔:0.00
- 折り返し行間隔:0.90
- 斜め書き:0.00
- 色の数値は簡易設定ウィザード時に同じ
- ガンマ:1.20
- 改行記号:チェックなし(普通はチェックあったほうがいいかも)
- 空白記号:チェックなし(普通はチェックしてたほうがみやすい)
- ディスプレイのタイプ:RGB
その他
- スクロールバーを常に表示:True
- ステータスバーを表示:True
- メニューバーを表示:True
- 原稿用紙換算の表示:True
- タブウィンドウを使用:True
- 空白タブにファイルを開く:True
- タブバーを常に表示:True
- 起動時に前回のファイルを開く:True
- システムトレイにアイコンを使用:True
- ウィンドウのタイプ:通常のウィンドウ
- 自動バックアップ間隔:120
- 縦中横は縦書きのみ:True
- ぶら下がりを使用:True
- 伸び上がり:False
- ページ表示:ページ表示あり
- ページサイズ方式:ウィンドウサイズに従う
- 上部:15
- 下部:10
- 左側:5
- 右側:5
- 段組み間:10
- 行番号を表示(仮):True
●これらの設定は “TATEditor.ini” に格納されている
以上を設定すると、扉絵と同じレイアウトになります。
設定された “TATEditor.ini” ファイルはmacosとWindowsで共通ということでしたが、Windowsのものをそのまま持って行って上書き設置しても動作しませんでした。(ハングする)
なので、双方とも手動で設定をおこなっています。
●配色は試行錯誤中
背景色が若干気持ち悪い色ですが、暫定的にブルーライト含有量を考慮しての配色です。
焼けて黄成になった紙色をイメージしましたが、若干赤が弱いかも。
本当は、開発民が使ってるようなオンラインエディタみたいなダークテーマが目にいいのだと思っているので、後ほど試行錯誤を繰り返してみます。
■最後に “IPA明朝” 書体について
これでもDTP民だったので、フォントに対する造詣とこだわりは並々ならぬものがあります。
縦書きエディタには、数あるフォントの中でも、ある程度フリーで誰でも使える “IPA明朝” が最善という結論に帰結しました。
ここまで紆余曲折と変遷があったのですが、やっぱり無難な書体というのが一番いい。極力軽く作られているので、エディタでの表示の軽さも素晴らしい。
形だけなら、もっといいフォントもあるのですが、エディタや編集ソフトで3万字ぐらい並んでくると、フォントの持つ “重さ” がレスポンスに影響してきます。そういった点を含めての考慮です。
贅沢を言うと、あと1%か2%太ければ最高なんですが、まぁ贅沢な話ですな。
IPAフォント(Wikipedia)IPAexフォントおよびIPAフォントについて(独立行政法人情報処理推進機構 (IPA))
クセもなく、使い易い書体です。
電子書籍で読む時にもいいかと思います。
こちらは太さに関してはベストかな。
ただ、環境によって縦書きだと字送りがガタガタになるので注意。
たま~に使います。
以上、完全に自分用の設定メモ書きですが、元々そういうブログなのでご了承をば。