前回、久々にhackintosh環境をインストーラー作成済みRAWを展開したUSBメモリとMultibeastで構築し、無事High Sierraが動く所まで行いました。
何事もなければ、このまま運用しても問題無いと思いますが、軽微な不具合や挙動のおかしな点などある場合はBIOSの調整や付加パラメーターの見直し、kextの追加が必要になったりします。
それにより、マザーボードに実装されたチップや機能がOSで利用できるようになったり、Mac実機との差異による不具合が出ないように調整できたりします。
この辺が素人的には非常に訳がわからない世界なのですが、できるだけ簡単に設定できるよう工夫されたものがClover Configuratorになります。
- マザーボードの各種機能やチップに合わせた設定(ACPI)
- ブートローダーの指定やオプションの付与、設定
- kext(ドライバ)へのパッチ
- SMBIOSの設定による機種固有情報の編集
などが基本的にできる部分です(大雑把でくくりも荒いですが)。
Clover Bootloaderに対して設定してやるのが主なお仕事です。
■EFIボリュームとkextの位置
調整や設定は、実際には“config.plist”を編集する機能というのが正しいのですが、このブートローダーの設定が書かれている“config.plist”の位置と、kext(いわゆるドライバ)の位置を覚えることが必要になります。
●まずは“Clover Configurator”を起動してみましょう。
EFIボリュームを表示させて、その中にある“config.plist”と“kext”フォルダの位置を把握します。
EFIボリュームを表示させて、その中にある“config.plist”と“kext”フォルダの位置を把握します。
- 起動→TOOLSのMount EFI
- 下段のEfi Partitionsから、“EFI on EFI”の“Mount Partition”
すると、デスクトップに“EFI”というボリュームがマウントされます。
“config.plist”は /EFI/EFI/CLOVER/ 内の直下に、“kext”フォルダはも同じ階層にあります。
●“Clover Configurator”に戻り、マウントしたEFIの“config.plist”の内容を表示させてみます。
- 画面左のメニューが並んだ欄の下側にある、家のマークをクリック
- 画面下部のフォルダツリーの最後にある“config.plist”をクリック
最初の段階で読み込まれている内容は、Clover Bootloaderを設置する際に設定した項目が反映されているはずです。この状態で各項目を編集して保存すれば、次回の起動時より内容が反映されることになります。
■各項目をみていく
ここからは必要に応じて設定するようにしてください。稼働に問題ないようでしたら、下手にいじらないほうがいい場合の方がほとんどです。
設定が必要なのは、“SMBIOS”の詳細設定だけです。
●ACPI
DSDTにあるACPIを編集して、マザーに実装されている機能や電源に関する項目を設定します。
ぶっちゃけ素人には全くなにやらわかりません。
shutdownしたのに電源が切れない、マザー提供の機能の一部がうまく動かない、といった場合に“Fixes”欄の各項目にチェックを入れると、動いてくれることがあるかも。
他にSSDTの項目にある“Generate Option”にあるPステートとCステートの項目はよくチェックが入っている解説が多いので、入れておいてあるぐらいです。
●Boot
ブート時につけるオプションをチェックボタンで選べます。
通常、ここでチェックいれるのは、なにかの機能を無視して起動させるためのものが多いので、おそらくは通常使用でチェックを入れるものは、あまり無いかと思います。
詳しく解説されたサイトは、探せばいくらか出てきますが、当然英語です。
- -v:起動プロセスを表示させることができるオプションで、よく使います。
- -x:セーフモードで起動。
- darkwake:スリープに入る際、リブートしたり電源絡みのトラブルがあるときに設定するといいようです。具体的には“=0”か“=NO”を指定すると改善する場合が多いようです。
- dart=0:VT-x もしくは VT-dを無効化して起動する。最近は無効化しなくていいという話も。
他、“Default Loader”は基本的に“BOOTX64.efi”です。
“Timeout”は、操作しないとデフォルトボリュームで起動するまでの時間指定です。
●Gui
起動画面の設定です。
Scan:画面に表示する、ボリュームを検索する種類を選べます。Theme:Cloverのカスタムテーマを選べます。
●KernelAndKextPatches
読み込まれるkernelやkextに対して、パッチを当てる項目です。
割と重要で、macosのマイナーアップデートで動かなくなったkextへパッチ修正を手動であてることで、動くようにさせるのに使ったりと、割と使う機会が多い項目です。
SierraからUSBの管理の仕方が変わったようで、接続できるUSBの数が15に制限されているそうです。これはハブなどを含む、IDが割り振られているすべてを入れて15だそうです。
これだと不都合な環境もあるだろうと、USBの接続制限数を拡大するパッチが当たるようになりました。
High Sierra10.13.4(10.13.5でもOK)での実際のパッチです。
High Sierra10.13.4(10.13.5でもOK)での実際のパッチです。
KextsToPatchに項目を追加し、以下をそれぞれ入力。
- name:AppleUSBXHCI
- find:837D940F 0F839704 0000
- Replace: 837d940f 90909090 9090
●SMBIOS
機種の固有情報などを設定する項目です。
固有情報を使って個人と紐づけするアプリを使う上で重要になります。
FaceTimeやiMessageは、この項目をちゃんと設定しないと動作が怪しくなります。
これは解説が大変なので、詳しい方のリンクを掲載します。
以下の通り設定しておけば大丈夫です。
- “Mac信者のHackintosh修行”
- 正しく機種設定する (SMBIOSの設定)
●SystemParameters
重要なのは2箇所。
- Inject Kexts:EFIボリュームにある、/EFI/CLOVER/kexts/ 内のkextを使うかどうか。よっぽどのことが無い限りは、基本的に“Yes”にしておきます。これにより、システムが読み込むkextは、/Library/Extensions/ と、上記の2箇所となり、あとから追加したいkextがある場合は、EFIボリュームの方の /EFI/CLOVER/kexts/Other/ に入れるといいと思います。
- NvidiaWeb:NVIDIAが提供してくれているWEBドライバーを使う場合はチェックを入れる。なぜかブートオプションや他の場所で設定するよりも、ここでのチェックが優先されるようです。
以上、素人解説ですが、これらの調整項目をうまく使い分けて快適に動く環境を構築してみてください。
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